ハロプロDD soramiの囁き

ハロプロについて、あれこれと思いを綴ります。

Juice=juiceの再編についてーなぜ梁川段原、稲場が選ばれたのか

1、今回の問題提起
 Juice=juiceは2013年に6人で始まったが、その年の9月のメジャーデビューの際に1人抜け、その後2017年6月までの約5年間は、5人体制でやってきた。しかし2017年6月26日に梁川奈々美段原瑠々が加入し、7人体制となり、更に1年後の2018年6月には、稲場愛香が加入し、8人体制になった。この2度にわたるメンバーの追加に対しては、5人Juiceの完成度の高さや220公演達成とそれを受けての武道館ライブ達成に伴う一体感から、他のメンバーが追加された場合に比べて、遥かに強い抵抗感が一部のヲタクにおいて示され、それは現時点でも依然として残っている。特に稲場の追加に関しては、梁川との関係の複雑さ(カントリーでは稲場が先輩で梁川が後輩、Juiceではそれが入れ替わる)や稲場の病気療養によるカントリー卒業、その後、病状が改善されて現場復帰、しばらくは北海道研修生のPM的存在となり、そしてJuiceへの追加というこの変遷に、勝手に陰謀論という妄想を抱くごく一部のヲタが、文句を言っている。こういう中で、19年3月に梁川が卒業、春ツアー終了後に宮崎卒業することが発表されていて、更にグループは変化していくことになる。
 ヲタ側のメンバーの追加卒業という変化に対する受け入れ能力の有無については、ここでは問題にはしないし、問題にする価値もない。今回考えたいことは、どういう意図でこれらのメンバーが追加対象者として選ばれたのか、についてである。

 

2、Juice=juiceの本来と段階、梁川と段原の関係性
 Juice=juiceは元々、ハロプロ研修生(エッグを含む)のメンバーを中心に据えて作られた初めてのグループであり、これが一定の成果を収められたので、こぶしやつばき、更にはonnly youオーデション以外のビヨーンズ内のグループが作られたという点では、きわめて実験性の濃いグループであり、その特徴は現在も続いていると言える。ハロプロキッズにおいては、完全にグループメンバーの囲い込みがされていた結果、ベリーキューは、追加メンバーを補充できず、グループそのものを解散(無期限休止)するしかなかった。せっかく価値を生み出せる形としてできあがっているものを継続させられないのは、マネージメントする側としてはもったいないことである。
 もちろんモーニング娘。アンジュルムのように、オーデションによるメンバーの追加が慣例となっているグループもあるが、Juice=juiceは、モーニング娘。アンジュルムのような、追加メンバーの成長を見せるための、半分素人に開かれたグループ(その分、パフォーマンスの弱さは前提として許容されている)とは異なり、プロ集団を作るために、研修生を集められたグループであり
初期においては、パフォーマンスの弱い者もいたがいまや押しも押されぬ実力集団になっている。
 Juice=juiceに関しては、この実力集団になるまでの5年間が第1段階(名実を兼ね備えさせる)であったと考えられる。そして、2017年以降から第2段階に入ったと考えられる。その段階とは、後継者養成しつつの実力集団の維持である。新メンバーを入れても、実力者集団を維持し続けるには、かなり程度の高い素質を持つ者を、その集団に参加させて、様々な体験を数多くさせつつ、先達の薫陶を受けさせることが必要となる。それらにより、比較的短時間でその後継者の水準を上げていけ、実力集団の穴が埋まるのである。
 梁川と段原はいずれも、もともと研修生としてのレベルの高さは申し分はなかった。そして梁川は一番先にメジャーデビューするとともに、カントリーで桃子の薫陶を受け、研鑽してきている。また段原は、研修生になる前に鞘師と同じスクールに所属し、歌やダンスの基礎が身についていて、研修生としては第1の実力者であるにも関わらず、同期の中では一番デビューが遅れた存在である。両者はいわばエリートと叩き上げである。段原のデビューを遅らせたのは、Juice=juiceが実力集団として完成する時間を待つのと段原自身の実力を熟成させるためであった。
 2人が追加されるや否や、武道館のライブは予定通りとしても、更にワールドツアーを行ったことはモーニング娘。でもなかったことで、これらは追加メンバー2人を少しでも早く実力者に付いていけるようにするための手段でもあったと考えられる。

 

3、Juice=juiceの後継者づくりの手順と問題点
 ではなぜこの2人が選ばれたのか、また、なぜ稲場が更に追加されたのか。これについての見解を示してみたい。
 実力集団Juice=juiceの中核は宮本と高木であることは衆目が一致するところであろう。宮本のアイドルとしての完成度、高木の歌の水準の高さはハロプロ内でも最高水準であり、前者についてはモーニング娘。の佐藤、後者については同じく娘。の小田のみが、それなりの勝負ができるという程の状況である。だからこの2人の後継者をこそ、まず早くから準備する必要があることとなる。
なぜならこういう存在は簡単には養成できないからである。
 梁川は宮本の、段原は高木の後継者として位置付けられていたということは、もう明らかだろう。アイドル性や声の質の似ている梁川、声のパワフルさやそのエモーショナルな面の似ている段原と言うことで、二人に白羽の矢が立ったのではないかと考える。
 そしてJuice=juiceの斉唱の美しさを支えている声質の持ち主が宮崎であり、また彼女の持つ雰囲気のコケテイッシュさはあざかわと称されファンも多い。彼女の後継者と目されたのが、宮崎同様に、柔らかい声質とコケテイッシュさを併せ持ち、更にダンス面でのプロ集団化に寄与できる稲場である。宮崎がハロプロ最年長という面から、稲場が後継者としてJuice=juiceに入ることは、稲場が現場復帰した時点で決まっていたと考えられる。
 ところでJuiceの初期メンバーには金澤と植村がいる。この2人の後継者については、植村については彼女が最年少という面もあり、まだ早急に用意する必要性は乏しいだろう。とはいえ、彼女の声質やパワーは近年では重要な役割を果たすようになっており、歌割も増えてきているので、金沢の卒業後には、植村の後継予定者を入れる必要があろう。
 問題となるのは金澤である。彼女はJuice=juiceの歌を個性的に支える、唯一無比な存在であり、Juice=juiceを作るために、一本釣り的に選ばれた存在である。宮本がいたからJuice=juiceのイメージが成立したことは確かだろうが、金澤がいたからこそJuice=juiceは形となったと考えられる。
彼女の歌の安定感はもとより、その個性的で美しく魅惑的な声質は、今だけでなく過去にまでさかのぼってもハロプロ内には存在していない。それほど珍しい声質なのである。だから、もしJuice=juiceのメンバー追加のオーデションをするなら、金沢の後継者を求めてのこととなるだろうし、その対象はJPOPではなく、民謡や端唄などの古典邦楽や韓国中国の古典音楽を学ぶ者ということになりそうな気がする。そもそも金澤の母親もそういう方面であるらしい。
 いずれにしても実力集団の後継者をどう作っていくのがよいのかの実験がJuice=juiceにおいては今後も続けられそうである。

 

4、梁川卒業に伴う予定の変更
 さて、事務所側は以上のような計画をもって、ここ数年各グループをマネージメントしてきたと考えられるが、計画は常に現実に裏切られることになる。例えばカントリーガールにおいては、稲場の喘息による卒業は、桃子卒業後のカントリー計画の大いなる変更をもたらせた。もちろん事務所側も元の計画と起こった事態をどうすり合わせていくかについては、その都度何度も会議を開きながら検討は続けられ、試行錯誤も行われているはずである。
 さて梁川の17歳での卒業はヲタク以上に事務所において、想定外であったに違いない。これは梁川のカントリーでの体験とJuiceとの兼任後の様々な経験を積み重ねる中で、彼女は事務所の考えていた方向とは違う形で、大いに成長したということでもあった。とはいえ、想定外だからと言って彼女の希望をつぶすことをしないのが、ハロプロの太っ腹な所であり、長い目で先が見えている事務所だということである。
 しかし、事務所としては、宮本の後継予定者を改めて、至急に準備するしかない。宮本の卒業もそんなに遠い未来とも考えにくいからである。
 可能性として考えられるメンバーは何人かいるが、それについてはまたいずれ書かせてもらうことにして、今回はここまでとする。