ハロプロDD soramiの囁き

ハロプロについて、あれこれと思いを綴ります。

21年目を迎えた現在のハロプロの経営者の基本方針とは

 久々のブログ発信だが、この間に、アンジュルムのアジアツアーが公表されたり、モーニング娘。の尾形はるなんやアンジュルムのあやちょの卒業の発表があったり、と、ハロプロは留まることなく流動していっている。
 その中で、尾形はるなんの卒業については、いつものように、短大の状況をよく知らない者などによる、誹謗中傷的なコメントがあいついでいた。カニは自分の甲羅に似せて穴を掘るというから、自分の解釈できる範囲でしか、つまりは自分に理解できる領域でしか、物事を評価できないのは、ある意味仕方がないとも思う。自分に理解できる範囲を広げていくという努力は、それをしようという強い意志がないと、成果も出てこない。自分が全てわかっているというなどというおこがましい思いから出て来る解釈や評価など、真実にはかすりもしないと自省するのみ。

 さて、今回まず問題にしたいことは、ハロヲタがよく使っている批判の語彙である。まず一番よく出て来るのが「クソ事務所」という言い方である。まあ、この言い方自体、品がないというか、使っている人の美意識を疑うという面もあるが、何かヲタである自分達にとって不都合なことがあると、その原因は「クソ事務所」にあると言って批判しているのが定番である。
 一方で、この「クソ事務所」という言い方とセットで使われるのが、「タレントは悪くない」という言い方である。事務所=悪、タレント=善という捉え方である。
 更に、経営者の鶴の一声だとか、経営者に気に入られているからごり押しされるとか、ワンマンだといった評価も頻繁にされている。経営者=天ということになろうか。
 つまり、ヲタが望むようにならないのは、タレントは努力しているが、経営者の独善、事務所の手抜きのせいだ、というような解釈である。

 

 ところで、会社組織ということを考える際には、経営者と中間管理職的な実務担当者、そして実働部隊という三段階で考える必要があり、経営者が目的や目標、方針を定め、実務担当が戦略を、そして実働部隊が戦術を担当することになる。そして戦術は戦略の不備を、戦略は目標や方針の不備を挽回できないというのが基本原理となる。


 だからハロプロの状況を考える場合、経営者の示す目的や方針が妥当なのか、どれだけ下部の組織に対して意図を伝えられているのかということをまず問題にするべきである。その上で、経営者の意図を中間管理職がどの程度くみ取れているのか、その意図に沿う形で、実働部隊が動きやすいような戦略を立てられているのか、ということを問題にするべきであろう。
 自分の望むようにしてくれない=事務所や経営者が悪い、というような批判は短絡的で、単なるクレーマーと同じで、ともにそのタレントグループを支えていくという方向からは遠ざかるだけである。

 ハロプロの経営者は、中間管理職に権限を奪われている、無知な裸の王様なのか。そんな存在が生き馬の目を抜く競争の激しい芸能界に於いて、プロダクションを率いて、何十年も成果を残し続けることなどできるはずがない。


 ハロプロ20年の歴史の中で、経営者が一番体感したことは、爆発的に売れることの危険性であろう。また世間というものの変わり身の早さである。流行に身をゆだねることがいかに危険なことかを身をもって知った経営者は、不易の追求を通しての派手さはない継続性を重視するようになったと考えられる。この不易な面が、歌やダンスの技術を高めさせることにより、タレントとしての魅力を売るという面である。歌やダンスが良くても、必ずしも売れるとは限らないが、歌やダンスの技術のないタレントが、長く売れ続けることは無いというのは真理であろう。


 もちろんこの不易は流行による味付けがないと、沈滞するということもわかっているので、その時々の流行を歌やダンスに持ち込ませるということはしている。グループ間の流動をさせるという新体制の動きも、流行による不易に対する刺激の1つと考えれば、経営者の方針を受けての対応ということで納得がいくことである。


 そもそも最初から才能がほとばしっているタレントが、常にプロダクションに入ってきてくれるなどというのは、ないものねだりであり、たまたま奇跡的にそういう者が来てくれたという偶然を今後も期待していては、芸能事務所など経営できない。
 ヲタはオーデションによる発掘―才能あるものが突如デビュー、世間を震撼させる、といった漫画的なドラマを期待しているようだが、現実はそう甘いものではない。オーデションで卵を選び、研修生として鍛え、孵化させることでデビューさせるという、現在の流れは、一攫千金的な冒険の面白さはないが、堅実である。


 老舗であるということは無用な冒険を抑えつつも、時々必要な冒険をするということで、流動に対応してきた存在である。目先のことを考えずに、長い目で組織を維持することで、タレントを含む組織内の人を守るとともに、ファンへのサービスを継続していくこと、これがハロプロの経営者の目標や方針だと考えられる。