ハロプロDD soramiの囁き

ハロプロについて、あれこれと思いを綴ります。

この1年のハロプロを振り返ってー12月31日に気付く6月末の頃の出来事の意味―

 この1年はハロプロ20周年ということを見据えて、過去の流れの収束と新しい流れの始まりを明確にさせた1年だったと言える。

 

 まず過去の流れの収束については、キッズの全員の卒業である。C-uteの卒業ライブ、嗣永桃子の卒業ライブはいずれも、10年以上継続的にハローを支えてきたキッズメンバーが、アイドルとしての人生を全うした完成形を、後輩にしっかりと見せてくれるものであった。モーニング娘。にしても10年継続する者は殆どいない以上、彼女達を超える存在が今後出て来る可能性は果たしてあるのだろうか。

 

 奇しくもキッズ達の卒業と前後する時期に、こぶしファクトリーから、脱落者が次々と出てきて、C-ute と同じ5名という人数になってしまった。一方で、そのライバルとされているつばきファクトリーは、昨日、やはりC-uteと同じように、レコード大賞の最優秀新人賞を受賞した。この2つのファクトリーは研修生メンバーを中心にしたグループであり、キッズグループの後継者とみなされている。つばきをメジャーデビュー前にメンバーを追加した上で、デビューさせたのも、C-ute有原栞菜を追加したのと同じである。
 この2つのグループは、キッズグループと同じく、10年以上継続させることを目的に作られたグループだと考えられる。だから今後もメンバーを追加することなく、パフォーマンスを鍛えていくことになろう。さらに言えば結果論であるが、こぶしが5人になったことを、むしろ奇貨として受け止めているのではないだろうか。解散寸前の危機からメンバーの奮闘とオタの頑張りで、見事に復活を遂げたという歴史は、これもC-uteが体現してきているからだ。そう考えれば、今回のこぶしのメンバーの脱退は、予測の範疇であったといえるだろう。だからこそ、来年以降の特にこぶしの巻き返しのドラマに目が離せない。解散はもとより、メンバーの追加もせずに、逆境に立ち向かってこそ、ハロプロの、挫折からの復活という基本的な物語の王道を歩むことになるからだ。

 

 ところで過去の流れの収束と新しい流れの始まりを一番体現していたのが、カントリーガールズであろう。嗣永桃子の卒業、そして第1期メンバーのうち2名が城を守る一方で、3人のメンバーをハロプロの中心グループに1名ずつ派遣(兼任)という形になり、今までのハロプロにはカントリー娘でしか起こっていなかった、複数グループのメンバーが1グループを構成するという形が、3グループにも同時に起こったということである。
 これはカントリーの各メンバーの能力の高さを踏まえた、各グループの活性化であるとともに、カントリーの再生のための壮大なドラマの出発点でもある。そしてまなかんの復帰も、その壮大なドラマの一環である。
 なぜ彼女たちが、こういうさすらいの宿命を背負わされたかといえば、それだけ嗣永桃子という存在が、グループのメンバーにおいても、ファンにおいても、何よりも事務所においても、大きかったからということになろう。彼女は時限付きの存在でもあったが、有能で偉大過ぎた。彼女の影響が強いままで、桃子卒業後もそのままカントリーガールズを継続させた場合、偉大な創業者の2代目が、常に言われる、「先代はよかった」と同じように、「桃子がいてくれればよかった」ということが何度も言われよう。それは彼女たちにとっても不幸だし、桃子にとっても不本意であろう。また事務所にとっても、今は亡き子を、自分達の利益のために、蘇らせてしまうことを考えてしまうという、あってはならないことを考えてしまうことにも繋がってしまう。だから彼女たち(プラス、ファンと事務所)は一度桃子からの影響から抜け出すことが必要であり、そのためにはグループをそのままにしていては不可能だと、事務所は判断し、自分達の甘えを断ち切るためにも、過去に前例のない、思い切ったことを企てるとともに、それをわざわざ予告して、動画で配信するということまでしたのである。もちろん表面しか見ない、多くのオタクから批判を受けることは前提としていただろう。しかし、再生するためには一度死ぬしかないのである。1年の前半の終わりである6月末に、最後の現役キッズとして引退していく桃子の、カントリーへの願いを、しっかりと受け止めた事務所側が、桃子が卒業直前にわざわざ、カントリーの今後について公表したのは、桃子の引退に対する事務所側の今後の決意を、桃子に示すためのものであったと、これを書いている今日―12月31日、この1年が終わりをつげ、新しい1年が生まれるちょうどその時―に気付いた。
 カントリーや桃子を大事にしたが故の、カントリー再生のためのカントリーの活動のとりあえずの縮小と他のグループへの派遣、しかしこの種は、早くも派遣された各グループで、そして派遣された彼女たちの間で芽を出しつつある。

 

 そして新しい流れとしては、一岡グループが来年早々動き始めると考えられる。来年当初にグループとメンバーを発表し、まずはマイナーデビューさせ、再来年にメジャーデビューさせ、新人賞を狙わせるのではないかと考えている。
 このグループはもしかすると、従来とは異なるグループコンセプトを持たせるつもりなのかもしれない。高瀬や清野が入れば当然そういうことにもなろう。