ハロプロDD soramiの囁き

ハロプロについて、あれこれと思いを綴ります。

夏のハロコンが終わっての、新体制の状況―特にカントリーガールズの5人娘の状況―について、経営者的な視点で思うこと。

 新体制に対しては、6月、7月と様々な批判があったが、ハロコンでの、カントリーの5人の各持ち場での対応力や、新しい場のメンバーの受け入れ態勢の整いにより、批判は薄れ、むしろ評価する声が高まりつつある。

 

 私自身としては、このブログで何度も書いてきたように、この新体制は、ハロプロ卒業後も面倒見がよいこの事務所の、卒業後にタレント活動を継続しない者が増えつつあるという状況を踏まえての、各メンバーの将来を見越した経営者としての配慮であるという点で、まず、評価している。
 モーニング娘。の初期の頃とは変わり、今は、カントリーのメンバーだけではなく、多くのグループのメンバー(研修生も含む)は殆ど全員が、高校での学び、高卒後の大学進学や大学での学業とタレント活動の両立の問題を抱えており(通信制に行けばよいといった問題ではない)、かつ、これは、ハロプロ卒業後の自分の将来の進路選択にも関わる大きな問題でもある。特に専門職に就きたければ、それなりの大学に進みかつ、大学でも勉強を続ける必要があるからである。
 青春時代という大事な時期をアイドルとして活動してもらう以上、その先については、各自の進路希望に配慮したいというのは、事務所の誠意であるし、又それを見せることで、タレント側も、今の仕事に責任を持って取り組もうということにもなろう。そして、特に勉学に励みたい者にも、卒業やグループ解散といった方向ではなく、アイドル活動と勉学の両立が図れる仕組みを提供したということで、今回のことは画期的であろう。
 また、せっかく今まで様々な形で手間暇をかけて育ててきたタレントが、進路の問題でやめてしまうというのは、企業経営という面から言っても、問題が多いのである。特にカントリーは、嗣永桃子によって、鍛え上げられた精鋭であり、これを解散させたり、卒業させてしまうのは、あまりにももったいないことである。
 考えてみれば、今までも、シャッフルではなく、様々なグループが、作り出されてきたが、卒業や解散公演をして、きれいに終わったものもあるが、何となく活動しなくなってしまったグループもある。そしてそのグループのメンバーの力は、他のグループに活かされることなく、失われてしまったという例も多い。
 そういう過去の失敗も踏まえて、嗣永の薫陶が最大限に意識されている、6月の終わりに、カントリーの今後の活動と新体制を発表したというのは、非常に戦略的に考えられたものと思っている。大勢の社員を抱えて、その家族に対してすら責任を持つ経営者が、一時の感情や思いで行動するわけがないということを、もっと理解しておく必要があろう。

 

 さて、私は現場に参加はせずに、映像やツイッターなどからの情報をもとに、ハロプロを楽しんでいるという、現場重視のオタからすれば、わけのわかっていない在宅、という立場である。(この現場参加のオタと在宅の対立の構図というのも良く見られるが、全く建設的ではないと思う)ただし、現場から離れている方が見えてくる面もあるということも、在宅否定主義のオタクにはわかっていてほしいとは思う。
 その手にした様々な情報を、総合的に考えた、現時点でのカントリーガールズの5人の状況について、経営者側の意図も汲みながら、示してみたい。

 

 カントリーの3人に関しては、まずは、梁川が、新曲の発表、デコだしをやめての美少女化、ゆかにゃの母性化、そしてかりんの病気休場の中での単独ライブやハロコンでの責任の増加といった流れの中で、5人体制で長く続き、一番抵抗感の有ったジュースファミリーに受け入れられるだけではなく、新たなオタをジュースに取り込むことにも成功し、7人での新しいジュースの象徴的存在となり、グループの中で独自の位置を占めつつある。そういう意味で、彼女はジュースのトリックスターとしての役割を着々と進めている。そして事務所側もその発展の動きをさらに進めるべく、2度目の武道館コンサートも発表している。今後は、海外公演、武道館に向けて、7人体制としての新しい形をどれだけ固めていけるかが問われよう。

 

 次に出てきたのは、森戸である。モーニング娘。はもともとテレビなどでの露出も多かったが、彼女がロコドルから、モーニング娘。になったという経緯は、テレビや雑誌などでも、ドラマとして取り上げやすく、ドラマ好きの多くのモーニング娘。のオタ(そもそもモーニング娘。自体が不遇からの出世というドラマを体現している存在)からも、評価されている。確かに人数的には埋没してしまいそうだが、彼女のダンスという所に焦点を当てる演出が意図的にされており(例えば歌謡祭でのジェラシーの際のダンスシーンへのカメラワークや、ハロステでの練習風景―そこにダンスのうまい石田と譜久村を助っ人に出してくるなど、森戸のダンスということを強調する演出以外何もでもない)、これからのライブでも、森戸のダンスに注目させるように仕向けている。
 モーニング娘。に関しては、今の時点では、人数から言っても、ダンスができるということが評価基準になっている。加賀や横山といった研修生を選んだのも、歌ではなく、ダンスがそれなりにできるということで選ばれた可能性が高い。歌に関しては、個人として歌えるかどうか以上に、斉唱におけるバランス(声の質としての)とリズム感を考慮して、メンバーが選ばれていることは確かである。そしてこの傾向は、グループの人数を10人以上で行くなら、しばらくは続くだろう。
 森戸の歌に関しては、緩いテンポの柔らかい曲ではまだまだ単調になるが、強めのアップテンポの曲に関しては相性も良く、それなりに声量も出せ、印象に残るような歌い方もできるので、そういう曲や場面で、飛び道具的に使われるのかなと考えている。
 
 さて、兼任組で一番最初の印象が弱かった船木であるが、彼女も写真集の販売、CMへの登場、更に横山と組んでの「ミンミンロッケンロー」の発信などで、その存在がクローズアップされてきた。ただ、梁川や森戸と比べて、グループとしての活動という面では、少なかったので、グループ内での役割がよく見えていない面があったが、音霊のライブでの「七転び八起き」において、めいめいの歌っていた一番の締めを、彼女が太くて力強い声で歌い上げていたのを見た。これで、めいめい引退後のアンジェルムに欠けていた、パワフルな芸達者(竹ちゃんもパワフルだが、低音が弱い)という役割を担うということが、はっきりと示されたと思う。私の個人的な願いとしては、できるだけ早く「新日本のすすめ」で、「八兵衛」を歌うのを聞きたい。

 

 さて、長くなってきたが、山木、小関の学業専念組の方も、ハロコンで、まことと一緒にMCをするということで、嗣永からの直伝のマイクパフォーマンスを、更に鍛えるとともに、二人のMC力のすごさや面白さ、更にはMCという面の重要性についても、各グループの構成メンバーに意識付けることができたと考える。
 歌やダンスは大事だが、ライブはそれだけではなく、流れを見通したMCというのはとても大事であり、その第一人者であった嗣永が引退した以上は、それができる者を増やしていく必要があり、この二人は特に白羽の矢が立てられたということになろう。そしてこれは同時に、MCがうまくなるには、取材が必要であるし、様々な情報を仕入れる必要があり、それらはすべて学業とも関わってくることである。つまりは、事務所としては、学業優先で行く者については、MCやライブ全体の構成などの企画力を高めることを期待しているということであり、今回の二人の抜擢はそういうメッセージを出しているということでもある。二人は今回のハロコンでの体験を踏まえて、次の冬のハロコンではさらに上達したMCを見せてくれるのではないかと思うし、さらには、彼女たちの企画したコーナーなども作られるのではないかと考えている。

 

 今後のこの5人の活動を、楽しみにしながら見ていきたい。