ハロプロDD soramiの囁き

ハロプロについて、あれこれと思いを綴ります。

新体制から見える、ハロプロ経営陣の考えている今後の戦略

 今年がモーニング娘。20周年、来年がハロプロ20周年ということだが、モーニング娘。20周年については、特別なことをするという感じが今はないが、来年の20周年ということに関しては、1つの区切りであるとともに、ハロプロ新体制の構築ということで、次の20年の継続のための戦略を、今年から打ち出しているというべきだろう。


 20年間の歴史の中で、ベリーキューのキッズたちは約15年間関わってきていて、ある意味ハロプロの歴史を体現してきたと言えよう。だからベリーズの無期限の活動停止、キュートの卒業、そして嗣永桃子の卒業兼芸能界引退というのは、ハロプロの今までの歴史の積み重ねを体現してきた存在が全て消えたということである。
 もちろん、彼女たちは研修生の帯同や、活動停止後のつばきファクトリーへの指導、カントリーガールズのPMという形で、後輩たちに、その歴史や心構えを、言葉だけではなく、行動でも伝えてきた。
 しかし、今年の6月をもって、彼女たちが直接的な影響を与えられるという状況は、ほぼ失われてしまった。


 さて、そういうことを踏まえての、ハロプロ新体制であるが、この意図は、従来の在り方を、時代の状況と未来を踏まえて変えることで、従来の各グループ内で固定化さている多くのハロプロヲタの意識や行動の破壊と再構築を目指したものであると考えている。以下、具体的な例を挙げつつ、考察してみる。
 今回の新体制はハード面とソフト面の双方の改革があると考える。


 ハード面では、CDではなく、配信という形を、今後は中心にしていこうとするという改革である。これはある意味、現代の時代状況に合わせての改革であり、レコードやCDというアナログ的なものの発信から、音楽情報というデジタルの発信を中心とするという変革である。もちろんこれは、AKBグループによる、音楽CDの売り上げ数の示す音楽的な価値の破壊という状況を踏まえての、脱CDであるとともに、CD販売促進のイベント参加に伴う練習不足や心身の負担を軽減するという目的もあるはず。更には新しい形で音楽の発信を行うとともに従来の発信の仕方も変えるということになる。
 今は発表されていないが、おそらく来年にかけて、MVなどの配信に関しては、無料のショートVerは宣伝として提供する一方で、完成版は有料にして提供するのではないかと考える。私個人としては、CDはライブver限定として販売してくれれば、MVと配信とCDを全て買うのではないかと考える。


 ソフト面では、これまで行われてこなかったグループ間の兼任という形で、各グループの垣根を壊す改革である。そしてこれは、そのグループヲタという、グループを時間的、空間的に固定することで作り出されてきた、閉鎖的な存在を、再構成しようとする意図もある。
 そして実際、モーニング娘。アンジュルム、juice=juiceの3つのグループには、今までにはいなかった層が、関心を持ち出し始めている。こういう流動性がなければ、新規のファンを呼びこむとともに、旧来のヲタにハロプロの他のグループの良さを知らしめることはできなかったと考える。要するに特定のグループヲタをハロプロDDに変えていくために今回の新体制が作られたという面があったということである。
 そしてこの動きは、今年から来年以降も更に続くのではないかと考える。つばきは別として、他のグループ間で、兼任が数名出て来てもおかしくはない。ただしこれはカントリーの3名の結果次第の面もあろう。彼女たちは、未来の先取りの存在として、一番に動かされたのである。


 ところで、この新体制を否定的に捉える者もいる。その理由は各グループの固有性、個性がなくなるというものである。あるいは兼任者の心身の負担、あるいは、そのグループの従来のメンバーと兼任者の関係性が混乱するのではないかという心配もある。しかし、グループの個性に関しては、それらの新しいメンバを加えて新しい形を作っていこうとすればよいだけのことで、個性を今まで通りのまま固定化させようとするのは、ヲタの流動への対応力のなさとハロメンに対する信頼不足であろう。心身の負担に関しては、今回のモデルケースを踏まえて、どの程度のレベルで兼任させるか、誰を兼任させるかという適性も踏まえて検討されよう。関係性については、兼任が通常化すれば、混乱は生じなくなるだろう。


 いずれにしても、今後20年、ハロプロを継続させてゆくという、経営者からの強い意志が示されたのが、この新体制の発表だったと思う。批判されることは予測できていたはずだし、この結果としてヲタが減ることも織り込み済みというか、それで外れてゆくヲタなら、次の20年間は支えてもらえないという見切りもあろう。何を最優先にするかー今やこれからのメンバーの活動を支え、会社の業績を維持し続けることーということを考えた結果としての行動であろう。


 最後に、一岡の新グループは来年メジャーデビューで、今年の下四半期にマイナーデビューさせるのではないかと考えられる。一岡がリーダーというのは確定しているが、もしかすると誰かOGを、カントリーの嗣永のように、時限の決まったPM的な存在として、投入する可能性がある。カントリーはPM導入に関しては、よいモデルケースになったはずである。PMになりえる可能性としてはキュートの鈴木かな。そしてメンバーは、今の研修生2,3名と、今度のオーデション合格者で、PM込みで最大6名という所か。


 今回の新体制の意図を、経営戦略の方向からそれなりに考察した意見を見たことがないので、以上色々と書き連ねたが、とりあえず、juice=juiceに関しては、スタートダッシュがうまくいっていると思う。経営陣の人選の適切さとタイミングと曲の良さが一体化するとどうなるのか、という好例だ。