ハロプロDD soramiの囁き

ハロプロについて、あれこれと思いを綴ります。

カントリーガールズの歴史から新体制のきっかけを考える―経営者として与えられた状況をどう生かしていくのか―

 経営における成功は、状況変化という運的な結果を、どれだけ主体的に利用して、挑戦的にすすみ、結果を残せるか、にかかっている。そして運に対して受動的になれば、それに支配されてしまうことになるが、今回のハロプロ新体制も、どれが偶然の結果で、どれがその偶然に対しての主体的な挑戦の結果なのか。
 以下、カントリーガールズの新体制までの歴史を、当初の計画、計画とのずれ、そのずれに対しての対応という、3つの観点で、整理していこうと考える。

 

 カントリーガールズは、きわめて実験的なグループである。PM-研修生のお姉さん2(高齢化)-非研修生3という形であり、同時期にできた2つのファクトリーに比べて、成員の年齢差も大きく、非研修生も多い。つまりそれだけ多様性に満ちたグループであり、それは里田の願いと桃子の挑戦への意志に、事務所が応えた結果だと考えられる。

 

 グループの柱は、非研修生である3名だったと考えられ、それだけにPMと非研修生をつなぐ、2人の研修生のお姉さん役が重要となる。だからこの人選はかなり慎重に行われたはずだ。年齢的に高いだけではなく、在り様として対照的な、山木(大人びた落ち着いた雰囲気の表面と裏腹なヘタレな実態を持つ)と稲場(かわいらしい表面と裏腹な経験知を持つ)を選んだ時点で、かなり考え抜かれている。そして、PM制度は2人の研修生を中間管理職的に鍛えるという役割もあった。

 

 当初、一番素人のうたちゃんに対しての予想外の熱狂があったため、他の2人の非研修生の存在が必要以上に薄まってしまってバランスが悪かったが、それはある程度の時間が過ぎれば、彼女の素人性は薄れてしまうので、それ自体は特別に問題にはされてなかったと考えられる。
 もちろん、こんなに早くうたちゃんが抜けるということは想定外だったと考えられる。とはいえ、これによって、うたちゃんが素人的であったことの新鮮さの魅力が、永久にヲタクの心に残り続けるという形になり、伝説化した点では、彼女個人にとっては、ゆうかりんなどと並んで幸運だったともいえる。
 またカントリーにとっても、グループとしての形ができる前に、特定の個人が突出し、その部分に依存した形で存続してしまう前に、それが無くなったことはグループの成長にとっては幸運だったともいえる。もしかすると、そのことがわかっていた事務所側が、トラブルを徹底的に解決する方向ではなく、契約の解消という方向に動いた可能性も0ではないかもしれない。いずれにしても、うたちゃんに関しての未来の可能性については、また別の機会に考えてみたい。

 

 さて、うたちゃんの抜けたダメージは確かにあったが、彼女がいなくなることで、ちいちゃんとおぜこの組み合わせ、まなかんと梨沙ちゃんのお姉さんず、そして母親的なPMという形で、グループ内の役割が焦点化ができ、災い転じてという状況になったのも確かである。
 その後、PMの一時離脱を通じて、お姉さんずが管理職的に成長するとともに、年少組も成長した時点で、おそらくは当初の計画通りに、若い研修生で力あるメンバー2名が追加された。この2名の人選にあたっても、かなり慎重に行われたと考えられる。当初の計画とは、この2名の研修生の追加とその成長をいくらか見ていきながらも、PMは2年で卒業し、その研修生の指導はお姉さんずが中心となり、かつ、ちいとおぜこも支援するという形である。そしてこの6名で、自立したカントリーガールズ第2期、すなわち、本当の意味でのカントリーガールズをスタートさせる、という予定ではなかったか、と考えられる。

 

 ところがこの当初の計画を変更せざるを得なくなったのが、まなかんの離脱と卒業であり、これにより、PMが1年長く関わらざるを得なくなるとともに、5人問題が生まれてしまったのである。5人問題については、前々回のブログに詳しく書いているが、1人抜けると、グループはもはや存続できなくなるという問題である。
 若い研修生は当然未経験であり、それを支えるお姉さんずは二人いてこそ、年少の非研修生にも目配りができるわけである。だからそれが1人になるというのは、当然負担が増える。更に稲場と山木では、リーダー適性は天才型の稲場ではなく、秀才型の山木にあるが、その前提は、稲場が補佐につくことであった。だから、その補佐役がいなくなれば、山木リーダーは力を発揮できなくなる。
 そして、当然のことながら、この山木を補佐できる者は、研修生から補充というような形での獲得は不可能であった。だから稲場離脱後に、稲場に代わるメンバーの、安易な追加補充はできなかったのである。
 可能なのは、2人の非研修生の中のどちらかを鍛えて、補佐役にすることである。それを可能とするまでは、PMは卒業できなくなったのである。
 もしこの離脱者が、稲場でなければ、遅くとも稲場卒業時点で、追加メンバーを入れ、それをPM以下が育てることで、5人問題を生じさせなかったと考えられる。

 

 さて、まなかんの卒業後に生じた問題が、おぜこの学業問題である。学業とタレント活動の両立が困難になったということで、恐らくは小関側はグループからの卒業を事務所に提案したと考えられる。しかし、PMの卒業時機をそうも伸ばせない(まなかん卒業で無理をして伸ばしてもらっているから)。おぜこが抜け、PMも卒業となれば、カントリーガールズは4人となり、存続が不可能となる。そうなってしまうなら、カントリー存続のために、桃子は卒業ができなくなってしまう。かといって、おぜこが退学することを求めることもできない。

 こういう状況の中で事務所側から提案されたのが、まずは、ももちの卒業後のカントリーの活動の縮小である。これは、ももちをきちんと卒業させるとともに、おぜこが学業とタレント活動の両立を可能にするための措置である。
 そして2つ目が、小関以外のメンバーの、他のグループへの出向、兼任である。せっかくのタレント能力を持っているものを、活動を縮小するグループに縛り付けるのはもったいないし、おぜことしてもそれは心苦しいことである。自分のためにグループ活動を縮小させた上に、成員の活動自体も減らしてしまうからである。

 

 ちいちゃんとやなみんとふなっきは、カントリーの存続とおぜこの卒業回避のために、以上のことを承認したが、梨沙ちゃんは自分もカントリーに残ることを、以下の理由を踏まえて、主張したと考えられる
 その理由とは、1、PM卒業後、カントリーのリーダーに自分がなる以上、そのリーダーが抜けるわけにはいかないこと。2、おぜき1人が残る形は、里田がカントリー娘。に1人残ったのと同じ状態であり、1人ではカントリーの復活は困難になることは明らかだから。3、リーダー山木を補佐できる存在として、おぜこはふさわしいから。4、おぜこ1人では、カントリーとしての活動も、実質は不可能に近くなるから-2人いれば、どちらかに何かがあっても対応できるから。5、自分も大学の学業とタレント活動の両立が大変だから。以上である。

 この梨沙ちゃんの対応こそ、ももちイムズというべきであろう。

 

 ハロプロ新体制は、こういう状況の中で生まれてきた、経営者側の攻めの対応と考えられる。つまりは、小関や桃子やカントリーを守るため、さらに里田やももちの思いを守るを出発点にして、新体制が生み出されたと考えるべきで、事務所側はあえて説明しないことで、メンバーを守り、その全責任を引き受けているのである。くそ事務所などいう発言の底の浅さを反省するべきだろう。